ぶつかっちゃうよ

藤井流星くんと藤井姉妹

AKB48選抜総選挙に見る「次世代」の育て方


先日のAKB48選抜総選挙、以前AKB48を応援していた時期があるのでなんとなく気になって観ていた。HKTの子はあまり知らないが、大体の子はなんとなくわかったので、今回順位を上げた人、下げた人と明暗がくっきり分かれてしまう総選挙の恐ろしさを感じた。

今年が最後の総選挙となった高橋みなみさんが4位になったのは感動的だった。私は松井珠理奈さんを応援していたので彼女のランクが下がってしまったのは残念だったが、彼女は次世代を担うエースでありながら在籍年数も長い中堅である。また松井珠理奈さんの活躍に期待したい。

話を高橋みなみさんに戻す。彼女のスピーチはとにかくかっこよくて、総監督としての責務を果たしたかのように見えた。時期総監督である横山由依さんの背中を押す姿は彼女が長年48グループを支えてきた、みんなを見てきた良き先輩以上の何かがあった。

彼女は「次世代」に全てを託した総選挙だったように思える。彼女がAKB48としての10年間、自分はエースにはなれない、センターにはなれない、同期には絶対的なエースがいたから。自分のことよりグループのことを考えてた。総選挙だって最後にして初めて1位になりたいというワードを口にした。初めて自分のために闘ったんだと明かした。彼女は毎年「努力は必ず報われる」と言ってきた。それは彼女が青春をAKB48に捧げてきたからこそ言える結果だ。でもそれを素直に受け入れることのできない自分がいた。

しかし今年は少し違った。高橋みなみさんは毎年口にするこの言葉を「綺麗事、そんなのわかってます」と覆してきたのには驚いてしまった。どんなにつらくても努力しなければいけないことがある、それを絶対誰かが見てくれているから。

これは芸能界だけではなくどの世界にも共通して言えることだと思う。勿論そんなのわかってるとは思ってしまうけれど、これを堂々と5万人の観衆と271人の後輩たちに胸張って言える高橋みなみさんは何て素敵なんだろうと思った。彼女がグループをいかに統率してきたかはドキュメンタリーを観れば一目瞭然だ。時には厳しいことも言う、それはグループのため、その人自身のためであって。こんなの当たり前かもしれないがそれをアクションとして起こせる人なんてそうはいない。相手を大好きでいれないと、伸びてほしい、もっともっと良くなってほしいと思わないと絶対に出来ないことである。

彼女が卒業して、空虚なAKB48は見たくない。彼女が卒業して、今度は彼女が主役の物語が見たい。そう思ってしまうのは高橋みなみさんが魅力的な総監督なんだということが改めて気づくことができた。


私が応援するジャニーズも「次世代」が生まれてきた。彼らの活躍は勿論願っているし、売れてほしいと思う。ただ、高橋みなみさんのように絶対的な総監督はいない。みんな其々闘う道があるしみんなグループは違うライバルであるから。Jr.だってたくさんいる、みんなデビューしたいという狭き門に立ち向かっている。それを支えるのはデビュー組だと思っている。だからこそ先輩後輩の微笑ましい関係のエピソードは好きだし、バーターであろうが今後に活かせる何かが掴めたのならそれはすごく嬉しい。格子で囲まれた見えないリングで闘うくらいなら、誰もが見えるリングで闘う方が絶対にいい。総選挙を観て、総監督という立ち位置の重さを感じた。